それぞれが生き生きとしながら共に育つという「共育」の風潮が、成長につながる

岡山旭東病院

岡山旭東病院
住所:〒703-8265 岡山県岡山市中区倉田567-1
電話番号:086-276-3231
アクセス:JR西日本岡山駅バスのりば(1番)より岡電バス「岡電バス桑野営業所」行・「岡山ふれあいセンター」行・「新岡山港」行のいずれかに乗車し、「旭東病院前」で下車、徒歩約3分

――岡山旭東病院は先日の「おかやま健康づくりアワード2022」において職場部門、地域部門と2部門で受賞されました。職員やそのご家族の健康維持に、組織として取り組まれていることが評価されての受賞となりましたが、どのような経緯で取り組むことになったのでしょうか。 

当院には、共に育つと書いて「共育(きょういく)」と読んでいる言葉がありまして、職員全体で共に成長していこうというスローガンがあります。「職場はあなたの晴れ舞台」という言葉もありまして、医師だけではなくコメディカルスタッフも含めて、それぞれが生き生きとしながら、みんなで成長しようという風潮があり、自然と取り組んできました。院内では、病院内の各部署での取り組みを院内学会で発表し、院外でも活発な学会発表や学会・研修会の主催などを通して自分たちがどのようなことに取り組み、頑張っているかをアピールする機会をつくっています。日本人は慎ましやかな気質ですが、やはり認められると嬉しいものですし、それが成長につながると思っています。

――患者さんに接する際に意識していらっしゃることはなんでしょうか。 

当院のような規模の病院ですと、どうしてもある程度は患者さんの数をこなさなければなりません。それでも、なるべく患者さんの訴えを聞くように心がけています。お薬や注射ですぐに痛みが取れて治るのか、と言われるとそうではありません。長年かけて、リハビリなどを続けながら維持していくことの積み重ねになります。そういう中で、薬を飲み忘れていた、もう治療をやめてしまいたい、注射を打つのが嫌だ、とおっしゃる患者さんも少なくありません。そういう患者さんのやる気を続けさせるためにも、怒ったりせずに一生懸命に対話しています。特に骨粗鬆症に関しては治療をやめずに続けることが肝要ですから、治療の過程で骨密度の検査などをして、前よりも数値が良くなっていればしっかりと褒める。先生がそう言ってくれたから頑張れた、と言っていただけるように接しています。また当院では、骨粗鬆症マネージャーの有資格者もおりますし、OLS(骨粗鬆症リエゾンサービス)の取り組みも行っておりますので、今後も積極的にさまざまな連携を取っていきたいと思っています。 

――ロコモティブシンドロームについて、先生のお考えをお聞かせください。 

団塊の世代が後期高齢者になる中で、これから先はロコモティブシンドロームが非常に大事になってきます。健康寿命を長くするための基本は歩くこと。そして体の可動域や筋肉量などを測り機能を評価して、どのような食事をすればいいのか、どんな運動が必要なのかを知ることが大切です。歩けなくなってから歩こうとするのは大変ですから、維持するためにも、弱い部分を早いうちに見つけ出して対策しておくことが重要です。とはいえ、欠点ばかり指摘してしまうとやる気もなくなってしまいます。よいところは評価してモチベーションを保ちつつ、早め早めの検査をする風潮になればと思っています。

――平野先生が医師になろうと思ったきっかけや、整形外科医としてのやりがいを感じる瞬間を教えてください。

 父は開業医で、日曜でも夜中でも呼ばれると往診に出かけていました。地域のいろいろな方に感謝されている父の姿を見ていると、とてもやりがいのある仕事だと小さいころから感じていました。私は絵を描くことが好きだったものですから、自分で設計図を描いて、その設計の通りに骨をきれいに治していく過程を得られればそれは面白いだろう、と考えたのが整形外科への興味のきっかけです。手術がうまくいっても傷跡が残ったりしびれがあったりと、すべて元通りとはいかないところもありますが、元に近い状態になって患者さんから感謝されると、やはりとても嬉しいですね。 

――最後に、記事を読んでいる医療従事者に向けてメッセージをお願いします。 

コロナ禍により、世の中はもちろんですが我々医療従事者も大いに傷つきました。みなさんがそれぞれに、覚悟と使命感をもって取り組まれたことと思います。今後の状況がどのように変わるかはわかりませんがモチベーションを保ちながら、共に元気で、共に育つという気持ちで、医療を続けていただきたいと思います。

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平野 浩司 氏

川崎医科大学卒業。川崎医科大学附属病院、福井県国立鯖江病院、川崎医科大学大学院を経て、2000年より岡山旭東病院に勤務。現在、診療統括部長。

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