臨床試験成績

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国内第Ⅲ相臨床試験(ZONE Study)

新規椎体骨折および非椎体骨折の発生率

新規椎体骨折発生率

リクラストは新規椎体骨折発生をプラセボに対して有意に抑制しました(p=0.0029、log-rank検定)。Kaplan-Meier推定法に基づく24ヵ月間の新規椎体骨折の累積発生率はリクラスト群で3.3%、プラセボ群で9.7%でした(ハザード比0.35、95%信頼区間0.17~0.72、Cox回帰モデル)。
また、24ヵ月間の新規椎体骨折発生率〔(骨折発生被験者数/評価被験者数)× 100〕はリクラスト群で3.0%、プラセボ群で8.9%であり、リクラスト群のプラセボ群に対する相対リスク減少率は65.8%でした(p=0.0016、Fisherの直接確率検定)。

投与24ヵ⽉後の新規椎体骨折発生率(Kaplan-Meier推定法)
主要評価項目

非椎体骨折発生率

リクラスト投与群は、プラセボ投与群と比較して非椎体骨折リスクを有意に抑制しました(p=0.0292、lon-rank検定)。
Kaplan-Meier推定法に基づく24ヵ月間の非椎体骨折の累積発生率はリクラスト群で6.9%、プラセボ群で12.3%でした(ハザード比0.55、95%信頼区間0.32~0.95、Cox回帰モデル)。リクラストはプラセボに対して非椎体骨折発生を45%抑制しました。

投与24ヵ月後の非椎体骨折発生率(Kaplan-Meier推定法)

副次評価項目

安全性

副作用(臨床検査値の異常を含む)はリクラスト群では333例中197例(59.2%)、プラセボ群では332例中 40例(12.0%)に認められました。主な副作用はリクラスト群では、発熱131例(39.3%)、関節痛36例(10.8%)、筋肉痛27例(8.1%)、26例(7.8%)、インフルエンザ様疾患23例(6.9%)、血中カルシウム 減少21例(6.3%)、頭痛20例(6.0%)等、プラセボ群では発熱9例(2.7%)、6例(1.8%)等でした。重篤な副作用はリクラスト群で肺炎1例、プラセボ群で心房細動が1例認められ、副作用による死亡例は両群で認められませんでした。投与中止に至った副作用はプラセボ群の1例に認められました。

国内第Ⅲ相臨床試験(ZONE Study)概要
目的 日本人原発性骨粗鬆症患者にリクラスト5mgを点滴静脈内投与したときの有効性を検証し、安全性について検討する。
試験デザイン 多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較
対象 日本人原発性骨粗鬆症外来患者665例(女性625例、男性40例)
  • 最大の解析対象集団:リクラスト群330例、プラセボ群331例
  • 安全性解析対象集団:リクラスト群333例、プラセボ群332例
投与方法 リクラスト5mgまたはプラセボを1回15分以上かけて1年間隔で2回点滴静脈内投与し、2回目投与1年後までの2年間観察した。なお、全患者に同意取得時から毎日、カルシウム610mg/日、ビタミンD3 400IU/日及びマグネシウム30mg/日を投与した。
評価項目
[主要評価項目]
24ヵ月間での新規椎体骨折発生率(検証的な解析項目)
[副次評価項目]
24ヵ月間での椎体骨折(新規+増悪)、臨床骨折(臨床椎体骨折、非椎体骨折)、6、12、24ヵ月、最終時の腰椎骨密度、大腿骨骨密度(近位部total、頸部) 、骨代謝マーカー
解析計画 骨折抑制効果はKaplan-Meier推定法に基づいたlog-rank検定のほか、Cox回帰モデルによるハザード比と95%信頼区間の算出で解析し、さらに主要評価項目は相対リスク減少率の算出とFisherの直接確率検定で解析した。また、骨密度増加効果は検定で解析し、骨代謝マーカーに及ぼす影響については経時的変化の要約を行った。

承認時評価資料:日本人原発性骨粗鬆症患者での第Ⅲ相臨床試験(AK156-Ⅲ-1試験:ZONE Study)
Nakamura T. et al. Osteoporos Int. 2017; 2 8(1): 389-98.
本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。

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