ゼスラン小児用シロップ0.03%:添付文書
目次

ゼスラン小児用シロップ0.03%


処方箋医薬品以外の医薬品


照合元データ

使用上の注意 :4413004-S0003

適用上/取扱い上の注意 :4413004-T0003


ゼスラン小児用シロップ0.03%

作成又は改訂年月

2023年 3月改訂 ( 第1版 )

日本標準商品分類番号

874413

薬効分類名

アレルギー性疾患治療剤

承認等

ゼスラン小児用シロップ0.03%

販売名コード

YJコード

4413004Q1058

販売名英語表記

Zesulan Syrup for Pediatric

販売名ひらがな

ぜすらんしょうにようしろっぷ0.03%

承認番号等

承認番号

22000AMX00469000

販売開始年月

1997年 8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36ヵ月

一般的名称

メキタジン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分、フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  3. 2.3 下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿困難等を起こすことがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ゼスラン小児用シロップ0.03%

有効成分1mL中
日局 メキタジン  0.3mg
添加剤D-ソルビトール、無水クエン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、β-シクロデキストリン、無水エタノール、香料

3.2 製剤の性状

ゼスラン小児用シロップ0.03%

pH5.6~6.1
におい芳香がある
甘い
色・剤形無色~微黄色の澄明な濃稠の液

4. 効能・効果

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • じん麻疹
  • 皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)

6. 用法・用量

  • 〈気管支喘息〉

    通常小児1回メキタジンとして0.12mg/kgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。

  • 〈アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)〉

    通常小児1回メキタジンとして0.06mg/kgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
    年齢別の標準投与量は、通常、下記の用量を1回量とする。

    年齢

    標準体重

    シロップ1回投与量mL
    (メキタジンとしてmg)

    気管支喘息

    アレルギー性鼻炎、じん麻疹、
    皮膚疾患に伴うそう痒

    1歳以上2歳未満
    2歳以上4歳未満
    4歳以上7歳未満
    7歳以上11歳未満
    11歳以上16歳未満

    8kg以上12kg未満
    12kg以上17kg未満
    17kg以上25kg未満
    25kg以上40kg未満
    40kg以上

    4mL(1.2mg)
    6mL(1.8mg)
    8mL(2.4mg)
    12mL(3.6mg)
    20mL(6.0mg)

    2mL(0.6mg)
    3mL(0.9mg)
    4mL(1.2mg)
    6mL(1.8mg)
    10mL(3.0mg)

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与により眠気を催すことがあるので、保護者に対し注意を与えること。
    また、高年齢の小児に対し本剤投与中には危険を伴う機械操作や遊戯などを行わないよう十分注意を与えること。
  2. 8.2 小児では一般に自覚症状を訴える能力が欠けるので、投与にあたっては保護者に対し患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡する等適切な処置をするよう注意を与えること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 開放隅角緑内障の患者

    抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

9.2 腎機能障害患者

長期投与例で臨床検査値異常としてBUN上昇がみられることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    中枢神経抑制剤
    (バルビツール酸誘導体、麻酔剤、麻薬性鎮痛剤、鎮静剤、精神安定剤等)

    • フェノバルビタール等

    眠気等があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。

    本剤の中枢神経抑制作用により、作用が増強されることがある。

    抗コリン作用を有する薬剤(三環系抗うつ剤、MAO阻害剤等)

    • イミプラミン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物等

    口渇、排尿困難等があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。

    本剤の抗コリン作用により、作用が増強されることがある。

    メトキサレン

    光線過敏症を起こすおそれがある。

    これらの薬剤は光線感受性を高める作用を有する。

    アルコール

    眠気等があらわれることがあるので、アルコール含有清涼飲料水等の摂取に注意すること。

    本剤の中枢神経抑制作用により、作用が増強されることがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      血圧低下、呼吸困難、咽頭浮腫、蕁麻疹、嘔気等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    2. 11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、ALP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。また、劇症肝炎の報告がある。

    3. 11.1.3 血小板減少(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    過敏症

    発疹、光線過敏症

    肝臓

    AST、ALTの上昇

    黄疸

    血液

    好中球減少

    血小板減少

    精神神経系

    眠気

    倦怠感

    ふらふら感、頭痛、めまい、興奮

    消化器

    下痢

    嘔吐、口渇、食欲不振、胃痛

    胃部不快感、便秘、腹痛

    循環器

    心悸亢進

    胸部苦悶感

    泌尿器

    排尿困難

    その他

    味覚異常

    浮腫、視調節障害、顔面潮紅、咽頭痛、月経異常、口内しびれ感

    注)発現頻度は使用成績調査を含む。

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      眠気、悪心、嘔吐、軽度の抗コリン作用性障害がみられる。

    2. 13.2 処置

      必要に応じ補助呼吸又は人工呼吸、抗痙攣剤を投与する。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    本剤は甘みがあるので、誤飲を避けるため、保護者に対し保管及び取扱いについて十分注意を与えること。

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    動物実験(ラット)でメラニンに対する親和性が認められている。また、他のフェノチアジン系化合物の長期投与又は大量投与により角膜・水晶体の混濁、網膜・角膜の色素沈着が報告されているので注意すること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与

      小児患者に0.12mg/kg(n=7)を、食後1回経口投与した場合の薬物動態パラメータは以下の通りであった1)

      Cmax
      (ng/mL)

      Tmax
      (hr)

      AUC0-24
      (ng・hr/mL)

      T1/2(α)
      (hr)

      T1/2(β)
      (hr)

      5.10±0.41

      4.86±0.40

      67.04±8.56

      5.81±1.19

      23.3±3.59

      Cmax、Tmax、AUC0-24は実測値、T1/2(α)、T1/2(β)は2-コンパートメントモデルより算出(平均±標準誤差)

    16.3 分布

    幼若ラット(3週齢)に14C-メキタジン5mg/kgを経口投与した場合、放射能の分布は肺、肝、副腎に高く、肺中の未変化体濃度は血漿中の約50倍(4時間後)であった2)

    16.4 代謝

    小児患者に経口投与した場合、尿から未変化体の他に3種類の代謝物(SO、NO、モノ水酸化体)とグルクロン酸抱合体が確認されている1)

    16.5 排泄

    小児患者に経口投与した場合、24時間以内に投与量の12.6%が尿中へ排泄される1)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈気管支喘息〉
      1. 17.1.1 国内臨床試験(オキサトミドを対照とした比較試験)

        15歳以下の小児気管支喘息患者201例を対象に、メキタジンシロップ(0.20~0.31mg/kg/日注))又はオキサトミドドライシロップ(0.83~1.30mg/kg/日)を1日2回6週間経口投与した結果、改善例数(中等度改善以上)は下表の通りであった。副作用は、メキタジンシロップ群では認められなかった3)
        注)本剤の承認用量は「通常小児1回メキタジンとして0.12mg/kgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。」である。

        投与群

        有効性

        安全性

        解析対象例数
        (187例)

        改善例数(%)
        (中等度改善以上)

        解析対象例数
        (192例)

        副作用発現例数
        (%)

        メキタジン

        88

        67(76.1)

        91

        0(0)

        オキサトミド

        99

        55(55.6)

        101

        2(2.0)

    • 〈アレルギー性鼻炎〉
      1. 17.1.2 国内臨床試験(フマル酸クレマスチンシロップとの比較試験)

        15歳以下の通年性アレルギー性鼻炎患者203例を対象に、メキタジンシロップ注)又はクレマスチンシロップを1日2回1週間経口投与した結果、改善例数(中等度改善以上)は下表の通りであった。副作用は、メキタジンシロップ群では認められなかった4)
        注)本剤の承認用量は、「通常小児1回メキタジンとして0.12mg/kgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。」である。

        投与群

        有効性

        安全性

        解析対象例数
        (181例)

        改善例数(%)
        (中等度改善以上)

        解析対象例数
        (199例)

        副作用発現例数
        (%)

        メキタジン

        94

        52(55.3)

        101

        0(0)

        クレマスチン

        87

        39(44.8)

        98

        1(1.0)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンC4・D4などのケミカルメディエーターの遊離を抑制すると共に、これらの作用に拮抗することにより、アレルギー症状を緩和する。

    18.2 ケミカルメディエーター拮抗作用

    1. 18.2.1 ヒスタミン、ロイコトリエン、アセチルコリンによるモルモット摘出回腸・気管筋・肺実質収縮、ブラディキニン、セロトニンによるモルモット摘出回腸収縮、PAF(血小板活性化因子)によるモルモット摘出気管筋収縮、プロスタグランジンFによるモルモット摘出肺実質収縮を抑制する5) ,6) ,7) ,8) in vitro)。
    2. 18.2.2 抗ヒスタミン作用

      ヒスタミン致死を長時間防御する5) (マウス)。

    18.3 ケミカルメディエーター遊離抑制作用

    ラット腹腔細胞、ヒト肺、ヒト白血球からのヒスタミン及びヒト肺、ヒト白血球からのロイコトリエンの遊離を抑制する(in vitro)。これらの遊離抑制作用の機序の一部としてホスホジエステラーゼ活性の阻害(in vitro)、Ca2+流入阻害(in vitro)等の関与が考えられている7) ,8)

    18.4 抗アレルギー作用

    1. 18.4.1 遊離メディエーターに対する作用

      感作モルモット肺切片からの遊離メディエーターによる回腸収縮反応を抑制する6) in vitro)。

    2. 18.4.2 局所アナフィラキシー反応に対する作用

      homologous PCA反応を長時間抑制する6) ,9) (ラット)。

    3. 18.4.3 全身アナフィラキシー反応に対する作用

      能動的及び受動的全身アナフィラキシー反応を抑制する6) (モルモット)。

    4. 18.4.4 抗喘息作用

      抗原の静注又は吸入により誘発される実験的喘息を抑制する9) (モルモット)。

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    メキタジン(JAN)
    Mequitazine(r-INN)

    化学名

    10-[(3RS)-1-Azabicyclo[2.2.2]oct-3-ylmethyl]-10H-phenothiazine

    分子式

    C20H22N2S

    分子量

    322.47

    性状

    白色の結晶又は結晶性の粉末である。
    メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
    メタノール溶液(1→50)は旋光性を示さない。
    光によって徐々に着色する。

    化学構造式

    融点

    146~150℃

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 本剤は防腐剤を添加していないので、他の容器に分割して使用する場合には、微生物汚染等を考慮して取扱いに注意すること。
    2. 20.2 本剤は強い光にあたると着色することがあるので、他の容器に分割して使用する場合には、取扱いに注意すること。
    3. 20.3 使用期限内であっても、開栓後はなるべく速やかに使用すること。

    22. 包装

    100mL[瓶、液ダレ防止キャップ1個添付]
    500mL[瓶、液ダレ防止キャップ1個添付]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    旭化成ファーマ株式会社 くすり相談窓口

    〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号

    フリーダイヤル0120-114-936
    (9:00~17:45/土日祝、休業日を除く)

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    旭化成ファーマ株式会社

    東京都千代田区有楽町一丁目1番2号



    〈液ダレ防止キャップ装着方法〉
    液ダレ防止のため、添付の液ダレ防止キャップを以下の手順で付け替えてください。

    ①金属キャップ・ゴム栓を取りはずし、捨ててください。
    ②添付の液ダレ防止キャップを袋から取り出し一旦瓶に取り付けてください。
    ③液ダレ防止キャップを最後まで締めた後、キャップを緩めはずしてください。
    ④瓶口に液ダレ防止用の中栓が残ります。

    目次