スペシャリティを深めることが、視野を広げる

整形外科米澤病院

整形外科米澤病院
住所:〒920-0848 石川県金沢市京町1番30号
電話番号:076-252-3281
アクセス:七ツ屋駅から徒歩6分
ホームページ:https://yonezawa-hospital.jp/

――はじめに、長く整形外科医として多くの患者様と関わる中で、患者様が求めるもの、そして先生が実践されていることを教えてください。

 整形外科の分野は、非常に広いです。一般的には骨関節や運動器を扱いますが、まずは、しっかり診断をして、患者様がはやく元の生活に戻れるよう、なるべく最短で、安全性も担保された治療法を決めなければなりません。自分ができる診断や治療はもちろん自分で担当しますが、そうでない場合は他の先生と協力するなど、患者様にとって最もたしかな治療法を選択することを大事にしています。やはり、医療でも餅は餅屋。しっかりとした連携は心掛けています。

――先生はBKP(経皮的椎体形成術)を非常に得意とされていると伺いました。積極的に取り組まれている理由やメリットなどを教えてください。

 BKPが日本で行われるようになったのが2011年ごろで、私はすぐにトレーニングを受けてライセンスを取得しました。もともと椎体形成手術に関しては1998年ごろからとかなり早くから取り組んでいたので、その流れで、BKPにも取り組むことにしたんです。圧迫骨折は、治療法が各施設でバラバラなんです。患者様の痛みをいち早くとりたいと考えていても、その多くの治療法が痛みに耐えながら長期間安静にしなければならないものでした。それに比べ、BKP手術は、手術時間も30分ほどなので患者様に非常に喜ばれます。保険も適用されますし、患者様にとってのメリットが非常に大きいと感じているため、積極的に取り組んでいます。

――すぐに痛みが取れるのは、患者様も非常にうれしいですね。最近ではロコモティブシンドロームといった、移動や運動器の問題に向き合う考えも広まっています。ロコモをはじめ、痛みに悩む患者様に対して、気を付けていらっしゃることなどはありますか?

 術後の対応などはリハビリチームが中心になりますし、私自身、ロコモについて具体的に何か取り組んでいるわけではないのですが、非常に大切な考え方だと思います。

 やはり来院される患者様の多くは痛みに悩まれています。私の方針として、まずは適切な治療によって早く痛みを取ることを心がけています。その治療方法は様々ですが、まずは痛みの原因を特定することですね。ところが、慢性疼痛のような痛みを取ることに固執してしまうと、逆によくないケースもあります。痛みを受け入れていただいたうえで、次に治療するのか、というのも非常に大切ですね。やはりリハビリも痛みがありますから。

 そのためにも、私を含めスタッフにも言っているのが、とにかく患者様の訴えを聞くこと。それぞれの専門性の中で、しっかりと患者様を診て、訴えを聞いて治療計画を立てる。それがやはり基本だと思います。


――ロコモティブシンドロームをはじめ、さまざまな患者様の悩みに向き合う医療従事者の方に、先生からのメッセージをお願いします。

 医療に携わる中で、ご自身の専門性があると思います。自分に与えられた専門範囲を突き詰めていくことは視野を狭めるようにも聞こえますが、逆に全体を見ることにもつながると、私は思うんです。広く見ようとすると逆に浅くなってしまうこともあります。自分のスペシャリティを高め、自分の専門を客観的に見ることができるようになると、むしろ視野が広がりますから、その分野のプロフェッショナルとして医療に取り組んでいくことが大切なのではないでしょうか。

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米澤 嘉朗 氏

金沢大学医学部卒業。金沢大学医学部整形外科並びに各関連病院勤務、国立病院機構金沢医療センター勤務を経て、2006年に整形外科米澤病院に着任、診療部長を務める。


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