痛みの原因を特定し、わかりやすく明確化してあげることが大切

医療法人幸篤会 冨田整形外科

医療法人幸篤会 冨田整形外科
住所:〒350-2206 埼玉県鶴ヶ島市藤金835-59
電話番号:049-286-2211
アクセス:東武東上線若葉駅より徒歩6分

――冨田先生が医師になろうと思ったきっかけについてお教えください。

 私の親もこちらで医師をしておりましたので、診察室で患者さんを診ていた姿が幼い頃より印象に残っております。その後、人並みに反抗期もありましたが、生まれたときから地域医療の現場で育ったので、医師になりたいという気持ちが途切れたことはなかったですね。整形外科は、患者さんの苦痛を取り除くことが使命ですから、やりがいを実感しやすいと思っています。私はもともと麻酔科なので、まずは患者さんの痛みを取るという意識で取り組んでいます。

――貴院ではMRIやInBody(体成分分析装置)などといった各種診療機器を導入されているほか、検査棟を建てられるなど、積極的に最新医療を導入されているとお伺いいたしました。

 やはり、痛みを取り除くための武器は多い方がいいと考えております。なかには埼玉県内では数台しかない器具もあります。既存の治療法では治りにくい場合にも、新しい治療法があるのであれば、どんどん設備投資をしています。最近、脳ドックも始めましたが、そこはMRIの有効活用ですね。InBodyを導入しているのも、体を正確に知ることで問題点を探ることができるからです。太りすぎによる生活習慣病、筋力不足によるロコモティブシンドロームなど、そのあたりをはっきりさせるための検査機器として導入しています。

――ロコモティブシンドロームによって、日常生活に不安がある方もたくさんいらっしゃいますが、そうした方たちに対してどのようなアプローチが必要だと考えますか?

 やはり、原因をしっかりと探らなければならないと思います。例えば、骨に問題があったとしても、運動機能に起因して日常生活が難しくなっている場合には、筋力強化トレーニングを考えます。すると、栄養指導にも力を入れたくなる。整形外科でそこまでフォローするのは大変でもありますが、InBodyで、カルシウム不足、タンパク質不足など栄養状態も把握できます。歯が悪くなると食が細くなって、栄養状態に問題を抱えるケースも多い。ロコモにならないためには、そういう多角的なアプローチも提案していかなければと感じています。

――患者さんと接するにあたり、意識されていることや、スタッフで共有している心がけなどはございますか?

 患者さんには画像なども使って、短時間でわかりやすく説明することを意識しています。それから、「患者さんの痛みを楽にしましょう」という思いはスタッフ全員で共有しています。医師が説明しきれないところや、医師の前では患者さんが話しにくいことを看護師などがしっかりキャッチして、情報を共有できるようにしています。以前は、お薬に関して消炎鎮痛剤くらいしか主力となる薬はありませんでしたが、現在は痛みが取れたとしても原疾患の治療や痛みの繰り返しを防ぐためにも、継続していただくことが必要なお薬がたくさんあります。なので「これは痛み止めではない」ということを患者さんにもご理解いただくように心がけています。

――この記事を読んでいる、ロコモ診療に向き合う医療従事者の方々へメッセージをお願いします。

 結局のところ、患者さんのお一人おひとりと向き合い診ていくしかありません。誰一人同じではありませんし、実際に抱えている問題は皆さん違います。お一人暮らしなのか、ご家族と一緒なのか、そうした生活環境のバックグラウンドも違うので、その現場で自分のできるベストを尽くすしかありません。違う病気が隠れているのではないかなど、視野が狭くならないよう、広い視野と専門的な深い視座の両方で僕も取り組んでいきたいと思います。

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冨田 篤臣 氏

帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部付属病院を経て、2011年より冨田整形外科副院長に着任。2014年より昭和大学の客員講師、非常勤講師も務める。


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