少しでも早く身体の状態を知っていただくためにも、早めの骨密度検査ができる環境づくりを

千葉中央メディカルセンター

千葉中央メディカルセンター
住所:〒264-0017 千葉県千葉市若葉区加曽利町1835-1
電話番号:043-232-3691(代表)
アクセス:JR総武線千葉駅より京成バスにて約20分

――医師になろうと思ったきっかけや、整形外科を選んだ理由を教えてください。

 私は子どもの頃、身体が弱かったため病院によく通っていました。医師の方々と接する中で、自分も医師になりたいと思ったのが最初のきっかけです。また、医師をしていた叔父への憧れもあり、叔父と同じ岩手医科大学に進学しました。身体が丈夫になってからは、スポーツ、特にバスケットボールをするようになったのですが、アキレス腱を切ってしまうような経験もありました。そうした自身の経験も踏まえて、整形外科医を志すようになりました。

 ――脊椎を専門にされたのには何か理由があったのでしょうか。

スポーツ医療では、医師としてできることと、患者様の求めていることの間にギャップをとても感じていました。悩むことも多く、医師になって5年ほどして脊椎を専門とすることを考えました。脊椎疾患は治療によって良くなるケースも多く、治療によって患者様に喜んでいただけている実感を得られています。

 ――こちらの病院にはどのような患者様がいらっしゃるのでしょうか。

 病院としては中規模ですが、救急病院として指定されていますので、外傷から関節疾患など幅広い患者様が来院します。また、脊椎脊髄センターがありますので、脊椎疾患などの患者様が紹介などでいらっしゃることも多いです。千葉県内はもちろん、新潟や九州といったさらに遠方からいらっしゃる方もいます。手術は不安が大きいからこそ、低侵襲手術という、負担の少ない方法でできる病院を探された結果、来院される方も多くいます。今後は高齢化が進み、関節疾患などに悩む患者様も増えてくると思いますので、手術が有効な手段となっている現在、低侵襲手術は患者様のニーズと合っていると感じています。

 ――患者様と接する際に意識されていることや、術後のケアなどで気を付けていらっしゃることはありますか?

 患者様の話をよく聞くようにしています。何を一番に求めているのか、同じ腰痛でも原因は様々ですから、原因を探るためにも、患者様ご本人がゴールをどこにしたいかを知るためにも、会話をして信頼関係を構築することを大切にしています。また、リハビリや薬剤を含めた治療についてですが、術後からでは遅いんですね。手術前からケアしておかないと、結局は後手後手になってしまう。特に骨粗鬆症の検査は骨密度を測るだけですから、できるだけ早く自分の身体のことを知ってもらいたい。そうすることが、結果的に患者様の負担も少なくなると思います。

 ――近年、ロコモティブシンドローム(ロコモ)について注目が集まっています。ロコモに対して、どのような取り組みが考えられるでしょうか。

 最近になって、ロコモに関わる部分の保険点数の計算が変わったので、地域の病院でも取り組みやすくなりました。ですので、地域ぐるみで取り組めることができればいいなと考えています。小さな街のクリニックでも骨密度などを検査して、少しでも早く対応できるように連携を取れたらいいですね。

 ――ロコモをはじめ、患者様の様々なお悩みに接していく医療従事者に向けて、メッセージを頂ければと思います。

 例えば、介護保険を使ったリハビリがあるのですが、介護認定できるのに申請をしていない方が結構いらっしゃいます。やはり患者様には制度を利用し、デイサービスなどで積極的に外に出て、どんどん動いていただきたい。そのためには、介護の申請ができるかもしれないですよ、という情報を広く伝えていくことが大切です。自分の職務に直接関係が無くても、患者さんのために必要な情報をいち早く伝えられるよう、関わるスタッフ全員で取り組んでいけたら良いのではないでしょうか。
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佐久間 吉雄 氏

岩手医科大学卒業。順天堂大学整形外科、都立墨東病院、浦安市川市民病院、
順天堂大学医学部付属浦安病院を経て、千葉中央メディカルセンターへ。
副院長、脊椎脊髄センター長、整形外科主任部長を務める。

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