未来のためにできること――子どもの頃からの運動習慣がロコモ予防になる

医療法人社団光学堂 あたご整形外科

医療法人社団光学堂 あたご整形外科
住所:〒882-0872宮崎県延岡市愛宕町3丁目161番地
電話番号:0982-22-7575
アクセス:JR南延岡駅
ホームページ:https://www.atago-seikei.com/

――佐藤先生が医師になろうと思ったきっかけや、整形外科医を志した理由について教えてください。

 私は宮崎県延岡市出身ですが高校生の頃、アメリカに交換留学に行きまして4か所ほどホームステイしました。そのホストファミリーの中に、医師の方がいたのです。学校から病院が近かったので、時々病院にも寄っていたのですが、その際にホストファザーが働く姿を見て、医師という仕事に興味を持ちました。留学ではコーネル大学の先生のお宅に泊まらせていただくこともあって、数学や農学など、医学部以外の先生にもいろいろ教えていただいたのですが、医学が一番刺激になりましたね。

 整形外科に進んだのは、大学5年生時の夏休みに医局紹介で出会った永田 高見先生(元宮崎県立延岡病院 院長)が整形外科医だったことが大きいと思います。その先生の手術などを目の当たりにして心を決めました。整形外科は診る範囲が広く、分野も多岐にわたりますが、その多くは患者様が機能的に回復するお手伝いをする科。元気になっていく患者様を診るのは、医師としての喜びがありますね。留学の際に学んだ奉仕の精神が、今なお医療に向かう原動力になっています。

――こちらの病院にはどのような患者様が多いのでしょうか。

 やはり高齢者の方が多いですが、若い学生の方などが怪我で来院されることもありますし、年齢幅は幅広いですね。また、東京に居たときには膝の診療を中心に行っており、開業してからも膝関節の手術を継続しております。加えて院長として木屋博昭先生がいらっしゃってからは県外からも患者様に来ていただいています。結果として膝人工関節置換術としては県内でトップクラスの件数を実施しております。病院としては、股関節や骨折の手術を中心にやっている医師もいますので、広い範囲をカバーできていると思います。

――延岡市はアスリートタウンとしてスポーツが盛んな地域です。佐藤先生は延岡市民マラソンで20年以上救護チームの一員を務めるなど、スポーツドクターとしても積極的に治療に臨んでいらっしゃるとお聞きしました。こちらの病院にも、スポーツをされている患者様は多いのでしょうか。

 プロの方も、学生の方も多く来ていますね。スポーツをされている方は信念があり、治療に対してもご自身で調べてこられるなど、さまざまな考えをお持ちです。そのため、それに応じた治療や医療を提供しなければいけないという部分はありますね。治療を終えてからのリハビリ、リコンディショニングというところも含めて、スポーツをされている方はより目指す姿が明確な印象です。

――近年、ロコモティブシンドローム(ロコモ)が注目されるようになってきました。ロコモの患者様と接する際に意識していらっしゃることはどのようなことでしょうか。

 寝たきりの方の約1/3は整形外科の疾患とも言われていますから、そこは整形外科医としてしっかり認識しなければと思います。人工関節の患者様はもとより“治そう”という意識が高く、モチベーションが高いのですが、骨折の患者様の中にはそのまま寝たきりになってしまう方が少なくありません。骨折の中でも、骨粗鬆症の方はあまり治療されていない傾向があります。できるだけ寝たきりにならないよう、リハビリに手をかけていくことが大切ですね。残念ながら、延岡はロコモに関して進んでいるとは言えません。今後は、骨密度検査を周知したり、骨粗鬆症について講演会を行ったりと、周囲の先生方とも協力しながらロコモ対策を考え、「延岡モデル」と言えるようなロールモデルを作りたいですね。

――ロコモに向き合う医療従事者は、今後どのようなことに取り組むべきだと考えますか。

 ロコモは、高齢者だけの病気ではありません。小さい時からの生活習慣が大きく関わっています。最近では、子どもたちの運動能力が低下しているというデータがたくさん出ていますので、子どもの頃からしっかりと運動をする習慣づけといったところから高めていかなければなりません。今、高齢者世代への対応はもちろんですが、そこにプラスアルファで、子どもの頃からの生活習慣や体づくりをやっていかなければと思いますね。そうすることで、将来ロコモになってしまうタイミングを遅らせることができると思います。

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佐藤 信博 氏

昭和大学医学部卒業。宮崎県立延岡病院、宮崎医科大学(現宮崎大学医学部)、関東逓信病院(現NTT東日本病院)などを経て、1993年にあたご整形外科を開院。現:あたご整形外科理事長。



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