医療法人 豊岡整形外科病院
医療法人 豊岡整形外科病院
住所:〒358-0003 埼玉県入間市豊岡1丁目7番16号
電話番号:04-2962-8256
アクセス:入間市駅より徒歩8分
――梅澤先生が医師になろうとおもったきっかけを教えてください。
父方も母方も祖父が医師だったこともあり、親類には医師が多くおりました。その影響で、中学の頃には医師に憧れのような気持ちがありましたね。あと、ちょうど学生の頃に医療ものの海外ドラマが流行しまして、それも追い風になりました。救急で運ばれてきた患者さんを、自分だったらどう診ようか?などと考えていました。
――整形外科医を志したのはどのような理由からでしょうか。
ドラマの影響もあって、最初は救急科に入りました。人の命に携わる仕事がしたいと希望を持って入りましたが、実際は自分が何もできないことを知るばかりで…。救急科は各科のスペシャリストが集まってきます。循環器のスペシャリスト、脳外科のスペシャリストと、それぞれが武器を持っている中で自分には何もなかった。そんな中で、外傷というものは無くならないから、と整形外科医になろうと決めました。そして整形外科の中でも、専門とする人が少ない脊椎外科を目指したのが、今につながるきっかけです。
――患者さんに接する際に大切にしていらっしゃることは何でしょうか。
現在は外傷だけでなく背骨などの変性疾患や加齢による関節の痛みなども診ておりまして、人工関節手術も行っています。最近は、若い医師も含めてスペシャリティを突き詰めすぎて、背骨しかできません、手しか診ません、という医師も少なくないと思います。ですが、私はそういう医師にはなりたくありませんでした。私が教わった教室では、整形外科医ならばオールラウンダーとまではいかなくても、ある程度は診ることができるようになるべきだと教わりました。そういう意味で、背骨は専門として三ツ星に、関節などもそこそこの一ツ星くらいは診ることができる医師でありたいと思っています。目の前に患者さんがいるにもかかわらず、やらなきゃいけないときにできない医師ではいたくありません。
――そのような想いも、救急を経験されているからこそかもしれないですね。スタッフを含めて、全員で共有しているマインドはありますか?
治療はもちろんですが、治療に加えて患者さんが満足感や心地よさを感じてもらえるようにサービスを提供することでしょうか。医療とはサービス業でもあると思っています。すごく細かなことですが、診察を終えて患者さんがお帰りになるとき、目線を合わせずカルテを見たまま「お大事に」と言うのと、ちゃんと目を見て言うのでは、患者さんの安心感が全く違います。患者さんに笑顔で心地よく帰っていただくためにはどうすればいいかを考え、患者さんの気持ちを裏切るようなことはしないように…そういう真心ある医療があれば、まず間違いは起きないと思っています。
――ロコモティブシンドロームについて、実感されているここ最近の傾向はありますか?
ここ数年続いている閉塞感で高齢者の方などでロコモが進んでしまったケースも少なくないように思います。そういう方々には、デイサービスを受けに行くとか、月に1回診察に来てもらって笑って帰っていただくとか、とにかく最初の1歩を踏み出していただきたい。怪我をしたり、骨を折ったりしたら病院に行かれると思います。ですが、緩やかな痛みなどを我慢し続けた結果、もう少し治療を早く始められていたら…ということにもなりかねません。今は医療も発達して、よいお薬などどんどん進歩しています。ですが、診察に来ていただかないと、治療はできませんから。
――最後に、記事を読んでいる医療従事者の方に向けてメッセージをお願いします!
医師が1人でできることには限界があります。これから高齢者の方が増えていく中で、どうやって長く元気でいられるようにしていただくか。旗振り役のようなことは医師が率先してやれればと思いますが、チームや仲間で取り組んでいけたらと思います。インフルエンサーとして、少しでもみなさんの気分やモチベーションを支えていけたらいいですね。ロコモ体操とか、予防、検査などいろんな取り組みがあると思いますので、そこに携わって、手伝っていただけたらと思います。
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梅澤 夏樹 氏
日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、銚子市立病院、駿河台日本大学病院、横浜中央病院、国立病院機構災害医療センター、日本大学医学部附属板橋病院を経て、豊岡整形外科病院に着任。副院長を務める。