クワヤ病院
クワヤ病院
住所:〒760-0047 香川県高松市塩屋町1-4
電話番号:087-851-5208
アクセス:ことでん片原町より徒歩約3分、JR高松駅より車で約5分
――クワヤ病院の名前の由来について教えてください。
元々は曾祖父の代まで漢方薬局を営んでおり、その屋号が「クワヤ」でした。当時より地域住民の方より「クワヤさん」と呼ばれていましたので、祖父が開業する際に屋号を引き継いで「クワヤ病院」としました。
――石濱先生が医師になろうと思った理由を教えてください。
祖父、父が内科医で、ごく自然に医師になることを考えていました。兄が内科医になったため、内科以外で地域に貢献できる診療科を考えたときに、整形外科医になろうと決めました。学生の頃はテニス部に所属しており、自分の怪我の経験からも整形外科医が頭の中にありました。
――現在は、どのような患者さんを診察していらっしゃるのでしょうか。
整形外科の全般を診療していますが、二次救急医療を担っているため、骨折などの外傷が多いです。骨折部位は大腿骨や手関節、肩関節、脊椎が多くを占めます。
コロナの影響で減っていますが、年間500~600台程度の救急車の受け入れがあります。香川県の東部地域が救急の受け入れ病院が少ないこともあり、近隣の地域だけでなく、遠方から運ばれてくるケースもあります。三次救急に比較的軽症の患者さんが運ばれてしまい、重傷の患者さんを受け入れられない状況は避けなければなりません。これは地域医療において非常に大切なことと考えます。地域の医療を支えるためにも積極的に救急の患者さんを受け入れ、「クワヤさんなら引き受けてもらえる」と思っていただけるように取り組んでいます。
――救急以外の患者さんはいかがでしょうか。
慢性疾患では変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術も行っています。紹介でいらっしゃる患者さんも多く、診療所の先生からのご紹介や、大きな病院からもご紹介いただくなど、地域でうまく連携を取りながら患者さんを診ています。
――患者さんに接する際に大切にしていらっしゃることはなんでしょうか。
患者さんの多くは、なるべく入院期間が短くなるように希望されるため、退院先を早く決めるなど早めの対応を意識しています。リハビリテーションなど、患者さんが大変なときには「早く治してお孫さんに会いましょう」とか、スポーツをされている方には「またプレイできるように頑張りましょう」など、退院に向けた目標を見つけて、背中を押してあげるように心がけています。
当院の理念は「患者さんの立場に立った医療を提供する。気さくで、家庭的な、明るい雰囲気の病院」です。
患者さんや地域住民の方からは、私たちの病院を「クワヤさん」と親しみを込めて呼んでいただいています。これからも地域に根付いた「クワヤさん」であり続けたいと思っています。
――ロコモティブシンドロームに対する先生のお考えをお聞かせください。
やはりロコモティブシンドロームになると、転倒・骨折によって整形外科の患者さんになってしまうことがあります。それを予防することがとても大切だと思います。定期的に検査を受け、意識的に運動も行っていただきたいですね。当院では、医療保険によるリハビリテーションだけでなく、介護保険による通所リハビリテーションも行っています。患者さんの希望によっていずれかを選択して頂いております。ロコモティブシンドロームのリハビリテーションもどちらでも行っています。患者さんの希望に沿ったリハビリテーションを提供できるよう体制を整えています。
――コロナ禍で生活スタイルの変化などがあり、患者さんのお悩みにも変化があったように思いますが、いかがでしょうか。
コロナが蔓延していたころは、病院に診療やリハビリテーションに来ることでコロナに感染してしまうのではないかと心配して、受診を控える患者さんもたくさんいらっしゃいました。また、介護施設に入所されている方は、外出が禁止され通院ができないというケースもありました。リハビリテーションや受診の回数が減ったことによって、回復が遅れ症状が悪化してしまうこともありました。コロナ禍が収束するにつれ、徐々に状況は改善されているように思います。
――最後に先生と同様に患者さんに向き合う医療従事者の方にメッセージをお願いします。
患者さんやご家族に十分な説明をして、希望に沿った治療ができるようにいつも心がけています。ただ治療すればよいのではなく、患者さんの生活環境を正しく理解した上で治療を行うことが大切だと考えます。
医療は日進月歩で進化しています。私たち医療従事者は常に勉強をして切磋琢磨することが必要と考えます。
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石濱 琢央 氏
東京医科大学を卒業後、岡山大学整形外科に入局。国立福山病院、香川労災病院、香川県立中央病院を経て、クワヤ病院に着任。副院長を務める。