有効性

「警告、禁忌を含む使用上の注意」等は添付文書をご参照ください。
本剤は、国内第Ⅱ/Ⅲ相ブリッジング試験及び海外第Ⅲ相ブリッジング対象試験に基づき、海外臨床試験データを日本人に外挿することが可能であると判断され、臨床データパッケージに基づいて承認されました。このため、一部承認用法・用量と異なる成績が含まれますが、承認時評価資料のため掲載します。

国内第Ⅲ相臨床試験[HARUKA(LTS13618)試験]

関節リウマチ患者を対象としたDMARDs併用療法又は単剤療法試験

試験概要

■目的

活動性関節リウマチ(RA)患者を対象に、メトトレキサート(MTX)以外のDMARDs併用下でケブザラを投与したとき、又はケブザラの単剤療法を行ったときの長期安全性及び長期有効性を評価する。

■試験デザイン

多施設共同、無作為化、二重盲検比較試験(国内第Ⅲ相臨床試験、52週間)

■対象

中等度から重度の活動性RA患者 91例

併用療法層:
MTX以外のDMARDs(単剤又は併用療法)で効果不十分な患者 30例
単剤療法層:
MTXに不耐、不適切又は効果不十分な患者 61例

■投与方法

併用療法層:
以下に示す2つの投与群に無作為に割り付け、ケブザラ150mg又は200mgを2週間に1回、52週間皮下投与した。また、各群とも基礎治療としてMTX以外のDMARDs(複数可)を投与した。
単剤療法層:
以下に示す2つの投与群に無作為に割り付け、ケブザラ150mg又は200mgを2週間に1回、52週間皮下投与した。

■評価項目

主要評価項目:
重篤な有害事象、特に注目すべき有害事象を含む有害事象、
臨床検査値(52週時)等
副次評価項目:
ACR2O改善率の経時変化
ベースラインからのDAS28-CRPの経時変化、DAS28-CRP寛解率
ベースラインからのHAQ-DIの経時変化等

■解析計画

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち、治験薬を少なくとも1回又は1回投与量の一部を投与されたすべての患者とした。有効性解析対象集団はmodified intent-to-treat(mITT)集団とし、observed case(OC)に基づき評価した。
有効性評価項目について検証的な解析は実施しなかった。
有効性評価項目の2値変数については、反応例数及び反応率を各療法層(併用療法層又は単剤療法層)の投与群別に示した。各評価時点での連続変数については、規定来院での評価時点における例数、平均値、標準偏差等を各療法層(併用療法層又は単剤療法層)の投与群別に示した。

患者背景(DMARDs併用療法層)

表:患者背景(DMARDs併用療法層)

患者背景(ケブザラ単剤療法層)

表:患者背景(ケブザラ単剤療法層)

(1)安全性(52週時)[主要評価項目]

DMARDs併用療法層:

有害事象の発現率は、ケブザラ150mg+DMARDs群で93.3%(14/15例)、200mg+DMARDs群で86.7%(13/15例)であった。
主な有害事象は、鼻咽頭炎がそれぞれ26.7%(4/15例)、33.3%(5/15例)、好中球減少症33.3%(5/15例)、20.0%(3/15例)、口内炎20.0%(3/15例)、26.7%(4/15例)であった。特に注目すべき有害事象として多く認められたものは、感染症及び白血球減少症であった。

重篤な有害事象は、24週時までにケブザラ200mg+DMARDs群で20.0%(3/15例)、3例4件(感染症1例、悪性腫瘍2例)に認められ、150mg+DMARDs群では認められず、24週以降の重篤な有害事象の報告はなかった。また、ケブザラ200mg+DMARDs群の悪性腫瘍(女性乳癌及び胃癌)2例において、本剤との因果関係は否定された。

投与中止に至った有害事象は、ケブザラ150mg+DMARDs群で13.3%(2/15例)にALT増加2例、200mg+DMARDs群で33.3%(5/15例)に血小板減少症、白血球減少症、慢性副鼻腔炎が各1例認められた。なお、死亡例は報告されなかった。

ケブザラ単剤療法層:

有害事象の発現率は、ケブザラ150mg群で83.3%(25/30例)、200mg群で90.3%(28/31例)であった。
多く認められた有害事象は鼻咽頭炎がそれぞれ43.3%(13/30例)、45.2%(14/31例)、関節リウマチ13.3%(4/30例)、6.5%(2/31例)、口内炎10.0%(3/30例)、12.9%(4/31例)であった。特に注目すべき有害事象として多く認められたものは、両群ともに感染症であった。

重篤な有害事象はケブザラ150mg群で耳帯状疱疹1例、200mg群で白血球数減少、細菌性肺炎が各1例に認められ、投与中止に至った有害事象はケブザラ150mg群で耳帯状疱疹1例が認められたが、これらはすべて24週以降に認められた。死亡例は報告されなかった。

(2)ACR20改善率の推移[副次評価項目]

ACR20改善率は、以下の通りであった。

グラフ:改善率

中止(救済治療を含む)など判定不能な患者について、それ以降の時点には効果不十分症例として補完した。

(3)DAS28-CRP変化量の推移[副次評価項目]

ベースラインからのDAS28-CRP変化量は、以下の通りであった。

グラフ:ベースラインからの変化量

記述統計量により群ごとに要約し、欠測値の補完は行わなかった。

(4)DAS28-CRP寛解率の推移[副次評価項目]

DAS28-CRP寛解の基準(2.6未満)に達した患者の割合は、以下の通りであった。

グラフ:DAS28-CRP寛解が2.6未満である患者の割合

中止(救済治療を含む)など判定不能な患者について、それ以降の時点には効果不十分症例として補完した。

(5)HAQ-DI変化量の推移[副次評価項目]

ベースラインからのHAQ-DI変化量は、以下の通りであった。

グラフ:ベースラインからの変化量

記述統計量により群ごとに要約し、欠測値の補完は行わなかった。

社内資料:国内第Ⅲ相二重盲検比較試験(メトトレキサート以外のDMARDs併用又は単剤投与試験)[LTS13618試驗](承認時評価資料)

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