新規椎体骨折抑制作用(TOWER試験)

目次

「禁忌を含む使用上の注意」等は添付文書をご参照ください。

投与72週後の新規椎体骨折発生率

骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者に対し、テリボン群において、投与72週の新規椎体骨折発生率でプラセボ群に対する優越性が検証されました。

相対リスク減少率80%、p<0.001
RR=0.20, 95%CI: 0.09-0.45 Cox回帰モデルにより算出

24週ごとの新規椎体骨折発生率

テリボン群の新規椎体骨折発生率は、1-24週で2.4%、25-46週で0.9%、49-72週で0%でした。

第Ⅲ相骨折試験(TOWER試験)
主要評価項目(副次的解析)

安全性

副作用は、テリボン群43.8%(127/290例)、プラセボ群18.1%(52/288例)に認められた。主な副作用は、テリボン群で悪心54例(18.6%)、嘔吐25例(8.6%)、頭痛22例(7.6%)であり、プラセボ群でめまい6例(2.1%)、血中アルカリホスファターゼ増加6例(2.1%)、嘔吐5例(1.7%)であった。また、重篤な副作用は、テリボン群で発疹1例、消化不良・意識消失1例であった。重篤以外の投与中止に至った副作用は、テリボン群で36例(12.4%)、プラセボ群で4例(1.4%)が認められ、その主なものは、テリボン群では悪心16例、倦怠感7例、嘔吐6例、プラセボ群では食欲減退2例であった。

第Ⅲ相骨折試験(TOWER試験)の概要

目的 骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者の骨折抑制におけるテリボン56.5μg製剤の有効性について検討する。
対象 65歳以上の骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症外来患者※1578例 (テリボン群290例、プラセボ群288例) ※1 日本骨代謝学会の「原発性骨粗鬆症の診断基準(2000年度改訂版)」により診断し、脊椎既存骨折が1個以上5個以下、骨密度がYAM80%未満を全て満たす患者を対象とした。
試験デザイン 多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
投与方法 テリボン56.5μg製剤またはプラセボを1週間に1回72週間皮下投与した。なお、基礎薬剤として、両群ともにカルシウム配合剤※2を併用した。※2 1日当たりの投与量としてカルシウム610mg、ビタミンD3400IUおよびマグネシウム30mg。
投与期間 72週間
評価項目
[主要評価項目]
72週後の新規椎体骨折発生率(検証的解析項目)、副次的解析として24週毎の新規椎体骨折発生率の解析を行った。
投与開始時(ベースライン)と投与24、48および72週後の胸・腰椎(Th4-L4)X線画像の比較により、新規椎体骨折※3の有無を判定した。※3 新規椎体骨折:治療開始時に正常な椎体が、治療開始後にグレード変化を認め、 かつ後縁高、中央高、前縁高のいずれかが20%以上減高した場合。
[副次評価項目]
72週後の臨床骨折(非椎体骨折および臨床椎体骨折)発生率
  • 脆弱性臨床骨折発生率
  • 脆弱性非椎体骨折発生率
腰椎骨密度変化率
大腿骨骨密度変化率
[その他の評価項目]
増悪椎体骨折発生率
骨ジオメトリー
骨代謝マーカー等
解析計画 主要評価項目の主たる解析として、新規椎体骨折について、Kaplan-Meier法に基づく72週後の骨折発生率を算出するとともに、log-rank検定を行いプラセボ群に対する優越性を検証した(有意水準:両側10%、信頼区間:両側90%)。
骨折以外の副次的またはその他の評価項目は治療開始時からの経時的変化の要約分析を行った(有意水準:両側5%、信頼区間:両側95%)。

承認時評価資料, 社内資料:骨折リスクの高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第Ⅲ相骨折試験
Nakamura T et al. J Clin Endocrinol Metab. 2012;97(9):3097-3106.
本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。

追跡調査(投与終了1年後)

前テリボン群の新規椎体骨折発生率は、週1回72週間投与終了1年後において、前プラセボ群を下回りました。

第Ⅲ相骨折試験(TOWER試験) 追跡調査

a)RR=0.23, 95%CI:0.10-0.52 b)RR=0.18, 95%CI:0.09-0.36 Cox回帰モデルにより算出

対象 第Ⅲ相骨折試験(TOWER試験)で評価が行われた572例のうち、465例(81%)(前テリボン群212例、前プラセボ群253例)
試験デザイン 非盲検下、追跡調査試験
主要評価項目
新規椎体骨折発生率
TOWER試験の開始時・終了時(治験薬投与開始72週後)、および1年間の追跡調査終了後に撮影された胸椎・腰椎のX線写真により、新規椎体骨折の評価を行った。

Sugimoto T et al. Curr Med Res Opin. 2013;29(3):195-203.
本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。

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