大腿骨頸部の皮質骨厚増加効果(TOWER試験)

目次

「禁忌を含む使用上の注意」等は添付文書をご参照ください。

ヒト大腿骨の皮質骨厚変化率

テリボン投与後、72週後の骨ジオメトリーにおいて、大腿骨骨頸部の骨周囲長を増加させることなく、皮質骨厚を増加させた。また、体積当たりの総骨密度をプラセボに比べて増加させた。これらの変化は、大腿骨転子間部でも同様であった。

第Ⅲ相骨折試験(TOWER試験)・その他の評価項目

■骨ジオメトリー〈CT〉

対象 TOWER試験で対象とされた578例の原発性骨粗鬆症患者のうち、大腿骨BMDや骨形状および力学特性が評価できるマルチスライスCT(MDCT)が設置された15の医療機関からエントリーされた女性骨粗鬆症患者66例(テリボン群29例、プラセボ群37例)
方法 試験開始時、48週、72週後にCTデータを収集し、大腿骨頸部・転子間部におけるBMD、骨形状および力学特性の指標について評価した。

承認時評価資料,Ito M et al. Osteoporos Int. 2014;25(3):1163-1172
本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。

安全性

副作用は、テリボン群43.8%(127/290例)、プラセボ群18.1%(52/288例)に認められた。主な副作用は、テリボン群で悪心54例(18.6%)、嘔吐25例(8.6%)、頭痛22例(7.6%)であり、プラセボ群でめまい6例(2.1%)、血中アルカリホスファターゼ増加6例(2.1%)、嘔吐5例(1.7%)であった。また、重篤な副作用は、テリボン群で発疹1例、消化不良・意識消失1例であった。重篤以外の投与中止に至った副作用は、テリボン群で36例(12.4%)、プラセボ群で4例(1.4%)が認められ、その主なものは、テリボン群では悪心16例、倦怠感7例、嘔吐6例、プラセボ群では食欲減退2例であった。

第Ⅲ相骨折試験(TOWER試験)の概要

目的 骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者の骨折抑制におけるテリボン56.5μg製剤の有効性について検討する。
対象 65歳以上の骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症外来患者※1578例
(テリボン群290例、プラセボ群288例) ※1 日本骨代謝学会の「原発性骨粗鬆症の診断基準(2000年度改訂版)」により診断し、脊椎既存骨折が1個以上5個以下、骨密度がYAM80%未満を全て満たす患者を対象とした。
試験デザイン 多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
投与方法 テリボン56.5μg製剤またはプラセボを1週間に1回72週間皮下投与した。
なお、基礎薬剤として、両群ともにカルシウム配合剤※2を併用した。 ※2 1日当たりの投与量としてカルシウム610mg、ビタミンD3400IUおよびマグネシウム30mg。
投与期間 72週間
評価項目
[主要評価項目]
新規椎体骨折発生率(検証的解析項目)
投与開始時(ベースライン)と投与24、48および72週後の胸・腰椎(Th4-L4)X線画像の比較により、新規椎体骨折※3の有無を判定した。※3 新規椎体骨折:治療開始時に正常な椎体が、治療開始後にグレード変化を認め、かつ後縁高、中央高、前縁高のいずれかが20%以上減高した場合。
[副次評価項目]
臨床骨折(非椎体骨折および臨床椎体骨折)発生率
  • 脆弱性臨床骨折発生率
  • 脆弱性非椎体骨折発生率
腰椎骨密度変化率
大腿骨骨密度変化率
[その他の評価項目]
増悪椎体骨折発生率
骨ジオメトリー
骨代謝マーカー等
解析計画 主要評価項目の主たる解析として、新規椎体骨折について、Kaplan-Meier法に基づく72週後の骨折発生率を算出するとともに、log-rank検定を行いプラセボ群に対する優越性を検証した(有意水準:両側10%、信頼区間:両側90%)。
骨折以外の副次的またはその他の評価項目は治療開始時からの経時的変化の要約分析を行った(有意水準:両側5%、信頼区間:両側95%)。

承認時評価資料, 社内資料:骨折リスクの高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第Ⅲ相骨折試験
Nakamura T et al. J Clin Endocrinol Metab. 2012;97(9):3097-3106.
本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。

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