開発の経緯

リコモジュリン®の開発経緯

トロンボモジュリンは血管内皮細胞上に存在する糖タンパク質であり、生体内の血液凝固調節を担う生理的な抗凝固因子であることが、1982年に米国オクラホマ大学のDr. Esmonらによって明らかになりました1)

弊社は、1986年にトロンボモジュリンの研究に着手し、鹿児島大学の丸山征郎先生、三重大学の鈴木宏冶先生(現 鈴鹿医療大学 在籍)と共同で1987年に世界に先駆けてヒトトロンボモジュリン遺伝子の単離に成功しました2)。さらに、トロンボモジュリンの活性部位が細胞外ドメインに存在することを明らかにし、遺伝子工学的に細胞外ドメインのみを動物細胞で産生させることに成功しました。

この可溶性ヒトトロンボモジュリン(リコモジュリン)の臨床試験を実施し3)、2006年にDIC治療薬として製造販売承認申請を行いました。
その後、2008年1月に承認され、2008年5月から販売を開始しました。8年間の再審査期間において、使用成績調査(全例調査方式)4-6)、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験7,8)を実施しました。2016年4月に提出した再審査資料に基づき審議された結果、承認拒否事由のいずれにも該当しない(カテゴリー1)とされ、2017年12月21日に再審査結果が通知されました。

1. Esmon CT, et al. J Biol Chem. 1982; 257: 7944-7.
2. Suzuki K, et al. EMBO J. 1987; 6: 1891-7.
 著者に旭化成ファーマ株式会社の社員が含まれる。
3. Saito H, et al. J Thromb Haemost. 2007; 5: 31-41.
 本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。
4. Mimuro J, et al. Thromb Res. 2013; 131: 436-43.
 本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。
5. Eguchi Y , et al. J Intensive Care. 2014; 2: 30.
 本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。
6. Asakura H, et al. Thromb Res. 2014; 133: 364-70.
 本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。
7. Hayakawa M, et al. Thromb Haemost. 2017; 117: 851-9.
 本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。
8. Tamura K, et al. Int J Clin Oncol. 2015; 20: 821-8.
 本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。
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