作用機序

プロテインC活性化を介したトロンビン生成阻害

DICは、感染症、悪性腫瘍、外傷、婦人科疾患などで発症する重篤な病態で、播種性に全身の微小血管内に血栓が形成され、その結果、虚血などにより臓器障害をきたすとともに、凝固因子の消費性低下と二次線溶亢進により著明な出血傾向を示す症候群である。
感染症では、細菌内毒素(エンドトキシン:リポポリサッカライド(LPS))の生体内侵入により活性化された白血球や血管内皮細胞などに凝固惹起因子の組織因子(TF)が発現してDICを発症する。また、悪性腫瘍では、化学療法などによって腫瘍細胞が崩壊してTFが放出され、DICの引き金になることもある。

リコモジュリンは、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する。生成した活性化プロテインC(APC)は、プロテインSを補酵素として凝固促進因子の第Va因子と第VIIIa因子を分解(不活化)し、トロンビンの生成を抑制して、凝固反応を阻害する。

図:リコモジュリンによるプロテインCの活性化を介する血液凝固制御

監修)鈴鹿医療科学大学薬学部 教授 鈴木 宏治 先生
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