薬物動態

血漿中濃度

(1)健康成人

健康成人男性にリコモジュリン1,900U/人(0.3mg/人)を2時間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中のトロンボモデュリン アルファは投与終了後にCmaxに達し、その後2相性で消失した(T1/2α約4時間、T1/2β約20時間)。薬物速度論的パラメータを以下に示した。

健康成人男性にトロンボモデュリン アルファを静脈内持続投与したときの薬物速度論的パラメータ

本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。

(2)DIC患者

後期第Ⅱ相臨床試験時の投与前、1日目投与終了時、6日目投与終了時、及び6日目投与後24時間(7日目)の血漿中濃度を測定したところ、各血漿中濃度は用量依存的な増加がみられ6日目投与終了時に最高濃度に達した後、6日目投与後24時間で低下した。各時点の血漿中濃度を以下に示す。なお、トロンボモデュリン アルファの動態に性差は認められなかった。

(3)腎機能障害患者

製造販売後臨床試験において、腎機能障害を伴うDIC患者に本剤380U/kg(0.06mg/kg)あるいは130U/kg(0.02mg/kg)を1日1回30分かけて6日間静脈内持続投与したときの初回投与後のデータを次に示す。

腎機能障害を伴うDIC患者での薬物速度論的パラメータ(初回投与後)

a):( )内は持続的血液濾過透析実施症例数

本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。

■使用上の注意(抜粋)

7.用法・用量に関連する注意

  • 7.2 重篤な腎機能障害のある患者には、患者の症状に応じ、適宜130U/kgに減量して投与すること。本剤は主として腎臓から排泄される。本剤130U/kgは、DIC患者を対象とした臨床試験(用量設定試験)において有効性が認められた用量である。[8.2、9.2.1、16.6.1参照]

8.重要な基本的注意

  • 8.2 重要な基本的注意
    • 重篤な腎機能障害に伴い出血症状の発現・増悪がみられた場合には投与を中止すること。
    • 本剤投与により有効性が認められた場合には、血小板数、凝固・線溶系マーカー、出血症状に注意しながら、本剤を130U/kgに減量することを考慮すること。[7.2参照]
    • 本剤投与による有効性が評価できていない場合には、他の薬剤に変更することも検討すること。本剤130U/kgを重篤な腎機能障害患者に投与した経験は少ない。
※本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には、トロンボモデュリン アルファとして1日1回380U/kgを約30分かけて点滴静注する。なお、症状に応じ適宜減量する。」です。
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