薬物相互作用

(1)In vitro 試験における薬物相互作用への影響(in vitro1)

イサブコナゾールはCYP3A(CYP3A4及びCYP3A5)の基質である。イサブコナゾールは、CYP3A、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)1A1の阻害剤である。
また、イサブコナゾールは、P糖蛋白(P-gp)、乳癌耐性蛋白質(BCRP)、有機カチオントランスポーター(OCT)2及び多剤・毒性化合物排出蛋白(MATE)1の阻害剤である。イサブコナゾールは、CYP1A2、CYP3A4、CYP2B6、CYP2C8及びCYP2C9の誘導剤である。

(2)薬物相互作用試験(外国人データ)2, 3)

以下に、薬物相互作用試験で認められた薬物動態への影響をまとめた。

a )注射剤及び経口剤は国内未承認
b )国内未承認
c )経口剤は国内未承認
QD:1日1回投与、BID:1日2回投与、MPA:ミコフェノール酸、MPAG:ミコフェノール酸のグルクロン酸抱合体

【方法】外国人健康成人を対象にクレセンバ経口投与と各薬剤を併用投与後、イサブコナゾール又は併用薬の血中濃度をモニタリングし、併用時/非併用時の薬物動態パラメータ比を算出した。

1)社内資料:臨床薬理試験<薬物相互作用試験(in vitro)>
2)米国添付文書
3)社内資料:臨床薬理試験(CTD2.7.2.3)

併用薬の相互作用の特性の判定基準<参考>

10. 用語一覧(抜粋)

  • (13)強い阻害薬、中程度の阻害薬、弱い阻害薬:「相互作用を受けやすい基質」のAUCを、5倍以上に上昇(CL/Fが1/5以下に減少)させると考えられる医薬品等を「強い阻害薬」、2倍以上5倍未満に上昇(CL/Fが1/5から1/2以下に減少)させると考えられる医薬品等を「中程度の阻害薬」、1.25倍以上2倍未満に上昇(CL/Fが1/2から1/1.25以下に減少)させると考えられる医薬品等を「弱い阻害薬」とみなす。
  • (14)強い誘導薬、中程度の誘導薬、弱い誘導薬:「相互作用を受けやすい基質」のAUCを1/5以下に減少(CL/Fが5倍以上に上昇)させると考えられる医薬品等を「強い誘導薬」、1/5から1/2以下に減少(CL/Fが2倍以上5倍未満に上昇)させると考えられる医薬品等を「中程度の誘導薬」、1/2から1/1.25以下に減少(CL/Fが1.25倍以上2倍未満に上昇)させると考えられる医薬品等を「弱い誘導薬」とみなす(7.7項の記載を参照)。
  • (15)相互作用を受けやすい基質、相互作用の受けやすさが中程度の基質:「強い阻害薬」の併用によりAUCが5倍以上に上昇(CL/Fが1/5以下に減少)する基質を「薬物動態学的相互作用を受けやすい基質」、「強い阻害薬」との併用によりAUCが2倍以上5倍未満に上昇(CL/Fが1/5から1/2以下に減少)する基質を「薬物動態学的相互作用の受けやすさが中程度の基質」とみなす(7.8項の記載を参照)。

AUC:薬物血中濃度時間曲線下面積
CL/F:見かけの全身クリアランス

「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作⽤ガイドライン」(PMDA、平成30年7⽉23⽇)
https://www.pmda.go.jp/files/000225191.pdf

  • 2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
  • 2.1 リトナビル、コビシスタット含有製剤、イトラコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、リファンピシン、リファブチン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、ロミタピドメシル酸塩を投与中の患者[10.1参照]
  • 4. 効能・効果
    下記の真菌症の治療
    〇アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)、〇ムーコル症、〇クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))
  • 6. 用法・用量
    〔クレセンバカプセル100mg〕
    通常、成人にはイサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回経口投与する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回経口投与する。
    〔クレセンバ点滴静注用200mg〕
    通常、成人にはイサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回、1時間以上かけて点滴静注する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回、1時間以上かけて点滴静注する。
  • 10. 相互作用
    イサブコナゾールは、CYP3Aで代謝される。また、CYP3Aを中程度に阻害、CYP2B6を誘導、P糖蛋白(P-gp)、有機カチオントランスポーター(OCT)2、多剤・毒性化合物排出蛋白(MATE)1、UDP-グルクロン酸転移酵素(UDP−glucuronosyltransferase, UGT)を阻害する。
    [16.4、16.7.1、16.7.2参照]
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