6.PTHの骨形成メカニズム

監修:島根大学医学部内科学講座内科学第一教授 杉本利嗣先生
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PTHの投与法の違いによる骨作用様式の差異

PTHは、持続投与では骨吸収の亢進が前面に出て骨量減少をきたすのに対し、間欠投与では骨形成促進作用を発揮する。PTHの間欠投与は骨芽細胞の分化を促進し、また骨芽細胞と骨細胞のアポトーシスを抑制することにより、その寿命を延長する。さらに、骨芽細胞は多分化能を有する未分化間葉系細胞由来であるが、PTHの間欠投与は、未分化間葉系細胞からの骨芽細胞への分化に促進的に作用し、一方、脂肪細胞への分化を抑制する。通常、骨リモデリング活性化剤では骨形成開始前に骨吸収の亢進が起こるが、PTHの間欠投与では先行する骨吸収亢進はみられない。すなわち、破骨細胞の活性化なしに骨形成が開始され、de novoの骨形成促進作用を発揮することにより、骨組織量が増加する。これに対し持続投与では、骨芽細胞への分化、特に前骨芽細胞から骨芽細胞への分化を抑制し、また骨芽細胞のアポトーシスも抑制せず、PTHの骨吸収促進作用が全面に発揮される。

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PTHの骨形成促進作用の分子メカニズム

PTHの骨形成促進機序として、骨芽細胞の分化促進、骨芽細胞と骨細胞のアポトーシス抑制、IGF、BMP、TGF-β、FGF-2、IL-11などの骨形成に関わる成長因子/サイトカインの関与、内因性PTHのoscillationの関与、メカニカルストレスに対する骨の感受性の亢進などが挙げられる。そして、これらに関わる骨形成シグナルとして、BMP/Smad/Runx-2、IGF-1/IRS-1、TGF-β/Smad3、Wnt/β-catenin、AP-1/IL-11などが注目されている。一方、PTHの持続刺激では骨吸収促進が起こり、間欠刺激では起こらないが、この相違をもたらす機序として、OPG(osteoprotegerin)とRANKL(receptor activator of NF-κB ligand)発現様式の違い、さらに、G蛋白共役受容体修飾蛋白β-アレスチン2の関与が報告されている。

骨形成促進剤としてのPTHの位置付け

PTHの骨密度増加効果ならびに椎体・非椎体骨折防止効果は、ともにビスフォスフォネート製剤などの強力な骨吸収抑制剤を上回る。また、PTH単独療法に加え、骨吸収抑制剤との併用や逐次療法の成績も蓄積されてきている。一方、骨構造、骨代謝回転、石灰化、そして結晶やコラーゲンの成熟度など、骨質に対する効果の解析も進み、ビスフォスフォネートとは明らかに異なり、PTHが骨の力学的強度を増加させるとともに、新しく骨を作ることが立証されつつある。現在、欧米に引き続き本邦においてもPTH製剤が骨粗鬆症治療薬として認可され、臨床応用への期待が高まっている。

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