7.皮質骨・海綿骨の構造

監修:長崎大学病院メディカル・ワークバランスセンター教授 伊東昌子先生
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骨微細構造は、骨の強度を維持するようにデザインされている。皮質骨は多数の層板構造、海綿骨は骨梁構造からなり、皮質骨では多孔化・菲薄化、海綿骨では骨梁の断裂・消失など、構造特性の劣化により骨強度が低下する。

骨は、皮質骨(緻密骨)と海綿骨からなる。皮質骨は海綿骨を取り囲んで存在し、骨の部位によってその比率は変わる。

皮質骨の構造

大動物の皮質骨は、多数の層板構造からなる。つまり、縦走する血管を中心に、同心円状に約5~20層の層板からなるオステオン(ハバース系、骨単位)と、各オステオン間に不規則に分布する介在層板からなる。オステオンの中央には中心管(ハバース管)と呼ばれる血管路が存在し、皮質骨内を横走または斜走するフォルクスマン管と連結して、皮質骨内に血管ネットワークを形成している。また、リモデリング中のオステオンも散見される。各層板には骨細胞を含む多数の骨小腔と、骨小腔から連続して、骨細胞の細胞突起同士がお互いに接合する骨細管が存在する。骨細管は枝分かれしながら三次元的に放射状に分布し、全体として密なネットワークを形成している。このネットワークを介して、骨に加わる荷重ストレスを感知伝達して骨強度の維持強化へ関与している。

海綿骨の構造

海綿骨は、骨髄腔内に広がる骨梁と呼ばれる小さな骨の柱の集合体である。骨梁の形態には、板状と棒状構造があり、お互いに連結している。骨梁の方向性は、荷重ストレスに適応するような配向性を示している。

海綿骨は表面積が大きく、骨髄(血液)と広く接し、骨代謝回転は皮質骨に比べて約10倍と言われている。したがって、初期の骨量減少が認められるのは海綿骨である。

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骨量減少による構造の変化

エストロゲン減少など骨量減少を引き起こす機転が働くと、代謝回転速度の速い海綿骨で骨量減少が優位に生じる。骨吸収によって板状骨梁が菲薄化し、骨梁に形成された穿孔が拡大して棒状構造になり、また、棒状の構造に吸収が進むと骨梁表面が吸収され、さらに進行すると断裂を起こす。骨梁の菲薄化・消失、連結性の低下などの骨梁構造の劣化は、構造特性としての骨質の悪化ならびに骨強度の低下を意味する。

皮質骨では、内膜面からの骨吸収によって皮質骨の菲薄化が生じる。骨量減少を代償するように骨外膜側には骨形成が生じて、菲薄化した皮質骨のサイズを大きくすることで、骨強度を維持する生理的作用もみられる。皮質骨内部では、ハバース管や骨細胞小腔の拡張が生じて多孔化が進み、骨質の劣化を引き起こす。

骨質の材質特性としてのマイクロダメージと石灰化度

荷重ストレスによって、骨内に微少亀裂(マイクロクラック)が発生する。マイクロクラックの存在自体は骨質の悪化を意味するのではなく、その発生によって荷重に対する緩衝となることも指摘されている。オステオンには高密度・低密度層板が混在し、クラックが進展するのを防ぐ。骨細胞突起のネットワークは、マイクロダメージを感知し、修復するようにリモデリングを開始させ、新しい骨を形成する。このように、正常の骨代謝回転では修復されるマイクロクラックであるが、代謝回転の低下した骨では吸収されずに蓄積し、骨脆弱性が亢進する。

新たに形成された基質の一次石灰化の後、数年にわたり二次石灰化が進行する。新しい骨単位は石灰化度が低く、骨内の石灰化度は不均一性を保つ。古い骨単位ほど石灰化度は高くなるとともに、骨内での石灰化度の均一性は亢進し、骨の剛性は小さくなり骨脆弱性が亢進する。

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