治療継続率とリクラスト
骨粗鬆症は治療継続することが重要です
骨粗鬆症の治療継続の必要性(海外データ)
服薬遵守率*50%程度までは骨折発生率は変わらず、50~75%では緩やかに低下、75%以上の服薬遵守率で骨折発生率は顕著に低下しました。
薬剤の効果を得るためには、服薬の継続が重要です。
*服薬遵守率:観察期間中における総投薬量に対する実服薬量の割合を示す指標
対象:アレンドロネードまたはリセドロネートの連日製剤もしくは週1回製剤を投与された45歳以上の女性35,537例
方法:複数の診療データベースを用いて、後方視的に対象患者における24ヶ月の服薬遵守率と骨折発生率を検討した。
Siris ES, et al.: Mayo Clin Proc 2006: 81: 1013-1022.
骨粗鬆症治療薬は服薬遵守率が骨折発生率に影響を与えます
リクラストは年一回静脈内点滴投与
海外第Ⅲ相臨床試験(HORIZON-RFT:L2310試験)
ゾレドロン酸の投与で大腿骨近位部骨折後の新たな骨折発生を抑えました
有害事象はゾレドロン酸群で1,054例中867例(82.3%)、
プラセボ群で1,057例中852例(80.6%)でした
新規臨床骨折発生率(大腿骨骨折後の二次骨折)(海外データ)
安全性
有害事象はゾレドロン酸群で1,054例中867例(82.3%)、プラセボ群で1,057例中852例(80.6%)でした。
主な有害事象はゾレドロン酸群で関節痛189例(17.9%)、尿路感染112例(10.6%)、背部痛109例(10.3%)、転倒102例(9.7%)、発熱92例(8.7%)等、プラセボ群で関節痛193例(18.3%)、転倒120例(11.4%)、背部痛115例(10.9%)、尿路感染101例(9.6%)等でした。重篤な有害事象はゾレドロン酸群404例(38.3%)、プラセボ群436例(41.3%)でした。主な重篤な有害事象はゾレドロン酸群で肺炎33例、処置後合併症30例、関節痛25例、脳血管発作21例等、プラセボ群で肺炎36例、処置後合併症30例、関節痛24例、大腿骨近位部骨折22例等でした。死亡はゾレドロン酸群101例、プラセボ群で141例でした。有害事象による投与中止例はゾレドロン酸群56例(腎クレアチニンクリアランスの減少5例、腎不全5例、敗血症4例、心不全3例、全身健康状態悪化3例等)、プラセボ群50例(腎クレアチニンクリアランスの減少4例、脳血管発作4例、心肺停止4例、心停止3例等)でした。
目的
大腿骨近位部骨折の手術後90日以内の患者に、ゾレドロン酸又はプラセボを1回15分以上かけて1年間隔で3回点滴静脈内投与したときの有効性及び安全性を評価する。
対象
大腿骨近位部骨折の外科的手術後90日以内の患者2,127例
・ITT集団(ゾレドロン酸群1,065例、プラセボ群1,062例)
方法
国際共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験。
ゾレドロン酸5mgまたはプラセボを年1回点滴静脈内投与する。骨折発生数が効果の差を示す必要数(211件)に達するまで、あるいは最後の患者が36ヵ月後の来院を行うまでを試験期間とした。初回の治験薬投与に先立ち、負荷用量のビタミンD2またはビタミンD3を1回投与した後、維持用量のビタミンD及びカルシウムを14日間以上投与した。試験期間中も維持用量のビタミンD及びカルシウムを投与した。また、初回投与時は全患者にアセトアミノフェンを投与した。
評価項目
[主要評価項目]
臨床骨折(二次骨折)発生率(検証的な解析項目)
[副次評価項目]
非骨折側の骨密度(大腿骨近位部totalおよび大腿骨頸部)、非椎体骨折、大腿骨近位部骨折、臨床椎体骨折等
解析計画
測定された36ヶ月間のデータの内、骨折の評価は2群間の生存関数を比較するための
log-rank検定を用いて24か月間で評価した。ハザード比とその95%信頼区間およびp値に関して、投与群を因子とするCox比例ハザード回帰モデルを用いて算出した。また、骨密度は測定された36ヶ月間のデータにより投与群および地域を説明変数とする二元配置分散分析モデルを用いて評価した。差の最小二乗平均値とその95%信頼区間として表した。
Lyles KW, et al. N Engl J Med. 2007; 357(18): 1799-809.
本試験はノバルティスファーマAGの支援により実施された。
国内第Ⅲ相臨床試験(ZONE Study)
リクラスト群は、新規椎体骨折の発生を抑制することが検証されました
また、大腿骨近位部totalの骨密度を3.30%増加しました(24ヵ月後)
副作用(臨床検査値の異常を含む)はリクラスト群で333例中197例(59.2%)、プラセボ群では332例中40例(12.0%)に認められました
投与24ヵ⽉後の新規椎体骨折発生率(Kaplan-Meier推定法)
大腿骨近位部total骨密度変化率の推移
安全性
副作用(臨床検査値の異常を含む)はリクラスト群では333 例中197 例(59.2%)、プラセボ群では332 例中40 例(12.0%)に認められました。主な副作用はリクラスト群では、発熱131例(39.3%)、関節痛36 例(10.8%)、筋肉痛27例(8.1%)、倦怠感26 例(7.8%)、インフルエンザ様疾患23例(6.9%)、血中カルシウム減少21例(6.3%)、頭痛20例(6.0%)等、プラセボ群では発熱9 例(2.7%)、 6例(1.8%)等でした。
重篤な副作用はリクラスト群で肺炎1 例、プラセボ群で心房細動が1 例認められ、副作用による死亡例は両群で認められませんでした。投与中止に至った副作用はプラセボ群の1例に認められました。
目的
日本人原発性骨粗鬆症患者にリクラスト5mgを点滴静脈内投与したときの有効性を検証し、安全性について検討する。
試験デザイン 多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較
対象
日本人原発性骨粗鬆症外来患者665例(女性625例、男性40例)
最大の解析対象集団(FAS):リクラスト群330例、プラセボ群331例
安全性解析対象集団:リクラスト群333例、プラセボ群332例
投与方法
リクラスト5mgまたはプラセボを1回15分以上かけて1年間隔で2回点滴静脈内投与し、2回目投与1年後までの2年間観察した。なお、全患者に同意取得時から毎日、カルシウム610mg/日、ビタミンD3 400IU/日及びマグネシウム30mg/日を投与した。
評価項目
[主要評価項目]24ヵ月間での新規椎体骨折発生率(検証的な解析項目)
[副次評価項目]6、12、24ヵ月、最終時の腰椎骨密度、
大腿骨骨密度(近位部total、頸部)、骨代謝マーカー 等
解析計画
骨折抑制効果はKaplan-Meier推定法に基づいたlog-rank検定のほか、Cox回帰モデルによるハザード比と95%信頼区間の算出で解析し、さらに主要評価項目は相対リスク減少率の算出とFisherの直接確率検定で解析した。また、骨密度増加効果はt検定で解析し、 骨代謝マーカーに及ぼす影響については経時的変化の要約を行った。
承認時評価資料:日本人原発性骨粗鬆症患者での第Ⅲ 相臨床試験(AK156-Ⅲ -1試験:ZONE Study)
Nakamura T. et al. Osteoporos Int. 2017; 2 8(1): 389-98.
本試験は旭化成ファーマ株式会社の支援により実施された。
骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者の
骨折リスクを軽減するための治療法があります