8.リモデリングシークエンス

監修:医療法人十字会 野島病院整形外科 岸本英彰先生
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骨のリモデリングには、ランダムに起こるものと、マイクロクラックなどの骨微細損傷を修復するためのリモデリングがある。骨の強度、とりわけたび重なる負荷に対する強度は、この微細損傷修復リモデリングにより維持されている。

リモデリングシークエンス

骨の代謝回転は一生を通じて行われ、常に古い骨から新しい骨へと新陳代謝され、骨の強度が維持されている。この既存の古い骨が破骨細胞により吸収され、その部位に骨芽細胞による新しい骨が形成されることをリモデリングという。

その細胞連鎖は、活性化→吸収→逆転→形成(基質形成→石灰化)→休止の順序で進行し、破骨細胞や骨芽細胞群は一つの生理的な機能的単位として働き、その単位を皮質骨では骨単位(オステオン)、海綿骨では骨梁単位(パケット)という。骨梁単位におけるリモデリングシークエンスを図に示す。骨内にマイクロクラックが生じると周囲の骨細胞はアポトーシスに陥り、これが引き金となってリモデリングが活性化される。休止状態の骨芽細胞である骨表面細胞と、骨内に埋まった骨芽細胞である骨細胞は常に情報交換しており、骨細胞に起こった異状を骨表面細胞が感知することにより破骨細胞前駆細胞が供給される。破骨細胞前駆細胞は前破骨細胞へと分化・誘導され、融合して破骨細胞となる。約2週間かけて破骨細胞による損傷組織の吸収が終了すると、単核マクロファージによる遺残基質などの吸収のあと、骨芽細胞による骨形成が始まる。まず基質(類骨)が形成され、数日後からハイドロキシアパタイトが沈着し石灰化(一次石灰化)が進行する。骨芽細胞は自ら形成した基質中に埋め込まれて骨細胞となり、一部は骨表面に残り骨表面細胞となる。骨面が骨表面細胞で覆われて骨形成は終了し、損傷組織の修復は完了する。これらの一連の過程は、骨表面に存在していた骨表面細胞が骨吸収面と骨髄との間を境界するカノピー(天蓋)を形成することにより一つの区画を形成し、その中で行われていると考えられている。また、吸収開始から形成が完了するまでの期間をリモデリング時間といい、海綿骨骨梁単位においては健常者で約200日、骨粗鬆症患者で約250日であるといわれている。

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骨石灰化度の経年変化

骨の石灰化は、一次石灰化のあと数年を要して二次石灰化が起こるため、古い骨単位ほど石灰化度が高く、新しい骨単位ほど石灰化度が低い。閉経直後の高代謝回転骨では新しい骨単位の形成が多いため、骨基質の石灰化度に骨内でのばらつきが大きくなる。これに対し、老年期の低代謝回転骨では古い骨単位が多くなるため、石灰化度の骨内でのばらつきは小さく均一化される。この石灰化度の骨内での分布幅は、大き過ぎても小さ過ぎても骨強度は低下するといわれている。小児期から成人、老年期へと骨内の石灰化度分布は高石灰化領域へと移行している。

二次石灰化とは

骨リモデリング過程で形成された新しい骨は、3~4ヵ月間の形成期に約50%まで能動的に石灰化(一次石灰化)され、以後2~3年間かけて石灰化が完了する。この後半の完全石灰化までを二次石灰化と呼んでいる。その機序は不明であるが、組織所見より、筆者らは骨へ加わる力によるmechanical pumping作用によりハバース管側より骨小管を通じて同心円状に末梢へとミネラルが輸送され、骨へ沈着(受動的石灰化)しているのではないかと推測している。

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